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2018-11-27更新

T型フォードとビートルから見る共産主義と資本主義における自動車の在り方

T型フォードとビートルから見る共産主義と資本主義における自動車の在り方

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お世話になっております。

 

株式会社ラグザス・クリエイトの知念です。

 

前回の「メルセデスベンツの安全概念のデザイン力」はいかがでしたでしょうか?

 

質問や感想はドンドンこちらのメールまで送ってきてください。

 

→ h.chinen@raxus-create.co.jp

 

では早速本日のテーマに入っていきたいと思います。

 

本日のテーマは「T型フォードとビートルから見る共産主義と資本主義における自動車の在り方」です。

 

では、初めていきたいと思います。

 

T型フォードの誕生

 

世界初の量産車はT型フォードです。

世界で初めて作られた大衆車とも言えます。

 

T型フォードはBMCミニ、シトロエンDS、フォルクスワーゲンタイプ1に先駆けて、1999年の世紀の自動車コンテストで20世紀の最も影響力のある車に選ばれました。

 

その理由としては、T型フォードがただただ成功しただけでなく、人々に良質な車を低価格で提供したといった自動車業界におけるイノベーションによります。

 

今まではオーダーメイドでしか作られなかった車をベルトコンベア式の流れ作業による効率的な大量生産により、同クラス他社よりも圧倒的な低価格を実現しました。

 

それまでは車の周りを労働者が動いて作業していましたが、T型フォード以降は労働者の間を車が動いていくという逆転の発想を取り入れました。

 

移動組み立てラインが導入される以前は、静止している自動車の回りを労働者が動いて組み立てていく方式がとられていました。

 

しかし労働者が静止したままで未完成の自動車がライン上を動くことによって時間が節約されると考えたのです。

 

D・ハルバースタムの「覇者の驕り」によると、以前は1台の生産に13時間かかっていましたが、巻揚機でシャーシを引っ張るようにして組み立てライン上を動かしていくことによって5時間50分に短縮され、さらに自動ベルトコンベヤを導入すると1台を1時間半で組み立てることができるようになりました。

 

また、この流れ作業の導入により、熟練工が必要なくなりましたので、労働者の教育機関が飛躍的に短くなりました。

 

誰でもすぐに製造ラインに立つことができるのです。

 

そして、フォードはその生産拠点を拡大し、全米を網羅するほどの規模となりました。

 

複雑な作業工程も、要素毎に分解すればほとんどが単純作業の集積であり、個々の単純作業は非熟練労働者を充てても差し支えなかったのです。

 

作業工程はベルトコンベアによって結合され、熟練工による組立よりもはるかに速く低コストで、均質な大量生産が可能になりました。

 

さらに、部品の規格化です。

 

また、現代ではコスト・ダウンの常識でもある部品の標準化も、フォード社の発案でした。

 

一度に沢山の同じ部品を造り、使う事によって、コスト・ダウンと作業の効率化を同時に図ることができました。

 

つまり、今までは手作業で一つ一つの部品を生産していましたが、それらを全て量産することによって、画一的なT型フォードの量産を達成したのです。

 

これらの偉業は自動車業界に大きな変化を与えました。

 

大衆車というカテゴリーを確立しました。

 

フォルクスワーゲンタイプ1の誕生

 

T型フォードと肩を並べる車としてビートルがあります。

ナチスドイツにおいてヒトラーの命令により作られました。

 

ヒトラーは安くてシンプルなドイツの道路網に適応する車を量産することを望んでいました。

 

エンジニアのフェルディナンドポルシェと彼のチームは1938年までに設計を完成させました。

 

ここでお分かり頂けると思うのですが、このビートルは国家プロジェクトだったのです。

 

ここがT型フォードとの大きな違いです。

 

アメリカといえば民主主義の国であり資本主義を採用しています。

 

その中で自由市場経済の観点からビジネスとして成功するか否かは企業に依拠します。

 

ですが、こちらのビートルに関しては国家プロジェクトです。

 

したがって、失敗することは原理的にあり得ないのです。

 

当時のドイツはイデオロギーとしては共産主義と資本主義の二つを国内において持っていました。

 

トップダウンの指示の元、国家をあげて生産し販売するということは非常に共産主義的です。

 

結果として非常に良質な車を作りました。

 

つまり国をあげて作るプロジェクトとして見事に成功を収めたのです。

 

 

資本主義と共産主義における車の生産

 

では資本主義から誕生する車と共産主義から誕生する車ではどちらのほうがいいのでしょうか?

 

結論から言いますと両社に利点があります。

 

共産主義の中で国策として進められる自動車プロジェクトも非常に効率が良いですし、資本主義の中で利潤追求をしながらレバレッジを利かせて拡大していくのも合理的です。

 

ドイツに関して言えば、結果的にドイツは資本主義の国家となりました。

 

ということは、ドイツの自動車というのは共産主義の時代と資本主義の時代という二つの時代を生き抜いているということになります。

 

ではなぜフォルクスワーゲンは成功したのでしょうか?

 

それは、共産主義というイデオロギーの元、ドイツ国内においてのみ作られた車を、資本主義化した後にグローバル化の波に乗せた点です。

 

元々品質の高かった車でも、グローバル化の流れの中で淘汰されることは大いにあり得ます。

 

ですが、フォルクスワーゲンは淘汰されませんでした。

 

それはフォルクスワーゲンの実力とも言えますが、それだけではりません。

 

フォルクスワーゲンは資本主義の原理を用いて適切にその販路と生産拠点を拡大していったのです。

 

その結果として販売台数世界第一位の座を獲得したのです。

 

これはフォルクスワーゲンが適切に資本主義を採用しグローバル化の波に乗ったことがその規模拡大の背景であると考えられます。

 

 

 

今回のブログはここまでとなります。

 

質問などがあればコチラのメールアドレスまでお気軽にお問合せください。

 

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最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

 

※当ブログに使用しております画像は全て、Google画像検索より引用しております。

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