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2016-02-25更新

交通事故による見えない怪我

「交通事故にあったら、傷みがなくても必ず病院に行け」とはよく言われますが、それはなぜかご存知でしょうか。 事故時に症状が出ていなくとも、後日症状が出ることが多くあり、場合によっては死亡してしまったり後遺症が残るケースもあります。 ここではどういったケースがあるのか、通院時の注意すべきポイントなどを説明します。

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▼見えない怪我のケースと、注意すべきポイント

1.頚椎捻挫(むち打ち)のケース
2.脳内出血のケース
3.内臓損傷のケース
4.通院について
5.事故に対する子供の心理

1.頚椎捻挫(むち打ち)のケース

頚椎捻挫

交通事故による障害として最も有名なのは頚椎捻挫(むち打ち)です。
事故の衝撃により、首の部分が鞭を打つ時のように前後に激しく動くため、むち打ちと言われており、首の周囲の筋肉・血管・椎間板・靭帯などが損傷します。

初期症状としては耳鳴りがするなどがありますが、時間の経過と共に、頭痛・吐き気・めまい・指や肘の痺れ・上半身のだるさなどが増してきます。

むち打ちの症状は事故後すぐに出ることの方が少なく(事故発生当日から数日以内での発症は27%程度とされています)、2~4週間後に発症するケースが55%と過半数になっています。発症までさらに長い場合だと半年経過後に発覚するケースさえあります。
また、自覚症状が少ないため本人は気付きにくく、時間の経過と共に家族が異変に気付くケースもあります。

このようにむち打ちは発症までに時間がかかることが多いため、治療が遅れてしまう上に、示談交渉で既に合意してしまった後に発覚した場合は、治療費が補償されない可能性があります。
逆に、事故後早めに病院で見てもらっていれば発症前にわかる可能性もあり、早期に治療に取り掛かれる上に示談交渉の際に治療費の上乗せもできます。
これが「交通事故にあったら、痛みがなくても病院に行け」と言われる理由です。

2.脳内出血のケース

MRI

事故の後の発覚が遅れて後遺症が残るケースが多く、恐ろしいものとして、脳内出血があります。
脳内の血管・筋肉・膜には痛覚がありますが、脳そのものには痛覚がないため、脳の損傷の仕方次第では事故後すぐに頭部に痛みを感じない場合があります。
気付かない間に脳内で出血が起き、時間経過と共に血が溜まって血管や筋肉を圧迫するようになって初めて自覚症状が出ます。

時間経過で出てくる症状としては、激しい頭痛、吐き気、片手・片足の麻痺や痺れ、ろれつが回らなくなる(言語障害)、めまい、脱力感、視野や欠けたり物が二重に見える、などがあります。

事故後にすぐ(2~3日以内)、MRIで拡散強調画像(DWI)を撮影して診察してもらうことで、脳の小さな損傷を発見できる場合があります。

頭部を打ったことが明確な場合は脳内出血の可能性もありますので、自覚症状がなくとも脳神経外科でCTやMRI検査を受ける方が良いでしょう。

3.内臓損傷のケース

むち打ちや脳内出血の他には、事故の衝撃によって内臓を大きく損傷している場合があります。
内臓の損傷は外見上では判断できず、事故による興奮で分泌されたアドレナリンによって痛みを感じにくくなっているため、事故直後は負傷者本人が「大丈夫」と言っていても、実際には大丈夫ではないことがあります。

「特に痛みがなく歩ける状態だったので徒歩で通院したが、実は内臓に大きなダメージを受けており、病院で診察を受ける前に突然倒れ、そのまま帰らぬ人となった」というようなケースがたまにあるそうです。
人身事故の場合は大丈夫そうに見えても急いで病院に行くべきです。

4.通院について

交通事故による見えない怪我_診察

基本的には整形外科を受診しましょう。
担当医に事故にあった旨を伝え、どこを打ったかなど覚えている範囲で詳細に伝えてください。

むち打ちの治療などで整骨院へ通院する場合は、保険会社が正式な治療と認めないケースが多いため、整形外科を受診することをおすすめします。(手足の痺れなど、症状によっては神経内科を受診しましょう)

5.事故に対する子供の心理

子供は事故被害にあった際に、自分の過失の有無に関わらず怒られてしまうのではないかと考えてしまい、事故にあった事実を保護者に隠そうとすることが多いそうです。
そのため、日頃から交通ルールを守ることだけでなく、「万が一事故にあった時は、怒らないから痛くなくてもちゃんと報告するように」と教えておきましょう。

また、子供の様子が何かおかしいと感じたら、隠し事をされないよう優しいトーンで何があったのか確認しましょう。
怒るつもりがなくても必死な雰囲気で問い詰めると、怒られるのではないかと子供が勘違いするかもしれません。

まとめ

事故は事故でも、駐車場で停車中に他の車に擦られた場合や、徐行運転で壁や他の車とすれ違った時に擦ったときなどは、ほとんど衝撃がないので通院する必要はないと思われますが、シートベルトやエアバッグが作動するような事故の場合は、頚椎などに大きな負荷がかかっている可能性が高く、事故後すぐに傷みが出ていなくても必ず通院するようにしておきましょう。また、人体に接触した事故(特に吹き飛ばされたような場合)は、かならず被害者は通院して検査を受けましょう(被害者が断ったとしても加害者は被害者へ通院を促しましょう)。

健康上の観点以外でも、発見が早い方が示談交渉の際に有利に動けるというメリットもあります。

「痛みも何もないのに通院するだなんて大げさだ」などと、無知から心無いことを言う人もいますが、負傷に気付かないまま放置してしまい、何らかの後遺症が残ったり、最悪の場合死亡に至るケースもありますので、「交通事故にあったら、傷みがなくても必ず病院に行け」を守りましょう!

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