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2018-10-12更新

自動車業界の未来~フォルクスワーゲングループから見る自動車業界の企業統合~

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ビジネスと自動車の融合を記事に

こんにちは。皆様初めまして。株式会社カーネクストのブログ担当者です。本日より当ブログを担当することになりました。皆様宜しくお願い致します。弊社カーネクストは、ネット完結型の中古車買取サービスを行っています。
私は元々自動車に対して興味がありましたので、車を扱う仕事がしたいと思っておりました。そして今回車に関わるブログを担当させて頂く運びとなりましたので、大変嬉しく思っています。

当ブログを始めるにあたり、どのようなテーマを扱うかを考えました。もちろん車に関して幅広く取り扱っていくというのは大前提なのですが、それだけではたくさん存在するブログと大差ありません。何かオリジナリティのあるユニークなブログを書けないかと考えておりました。そこで生まれたアイデアはビジネスとの融合です。

私は前職で自営業をしていたこともありビジネスについては強く関心を持っております。したがいまして車をビジネスの観点から見るということを広く扱いたいと思っております。ビジネスとは日本語で言えば経営や経営学という訳になります。そこにさらに経済的な視点も盛り込み、広く経済・経営という観点から車を見ていきたいと思っております。したがって、車に興味のある方や経営に興味のある方に読んで参考にして頂ける内容となるように精いっぱいブログを書いていきます。

車を考える

さらに毎回車と経済・経営では記述しきれない内容もお届けできればと考えております。それは「広く深く考える」ということです。したがいまして、私の当ブログにおける一貫したテーマは「車を考える」です。車をベースにして自由に考えていければと思っています。車と経営・経済の際も深く考えるということを行いたいと思っております。結論と致しましては、「車」と「経済・経営」と「考える」という3つのキーワードを軸にブログを書いていきたいと思っております。

フォルクスワーゲングループの規模

では本日の本題に入っていきたいと思います。本日皆様と考えたいのが自動車業界の未来~フォルクスワーゲングループから見る自動車業界の企業統合~についてです。フォルクスワーゲンと聞いたときにどのようなイメージを浮かべますでしょうか?

オシャレな車だなと思ったり、あまり高くない中間価格帯の車だなと思われるかもしれません。それは事実だと思います。また、同社のビートルやポロに代表されるような可愛らしくて性能の良い車といったイメージが強い方も多いのではないでしょうか?たしかに質実剛健と言われるドイツの車に相応しい良い車であると思います。ですが、その企業規模はといえば、確かに有名ではありますし大企業ではあるけれどトヨタなどと比較すれば小さいといったイメージを持つのでないでしょうか?

フォルクスワーゲングループとは

ここで多くの方々に驚かれるフォルクスワーゲンに関する事実があります。それは、フォルクスワーゲンはアウディやポルシェと同じ会社であるという点です。正しくはフォルクスワーゲングループの傘下にポルシェやアウディも入っているという状態です。一見ビックリされるかもしれません。

「フォルクスワーゲンがポルシェやアウディと同じ会社?」と思われるかもしれませんが、事実なのです。ポルシェやアウディといえば日本でも有名な高級車ブランドです。個人的な話となってしまうのですが、私は、アウディやポルシェに対して非常に興味や関心があります。特にアウディのA8シリーズやポルシェの911に関しては素晴らしい車であると思っています。

例えば、映画「トランスポーター」シリーズにおいてアウディA8シリーズが圧倒的な魅力で描かれています。さらにポルシェに関しましては世界一のスポーツカーといっても過言ではない程に魅力的なデザインと内装となっています。そんな高級車ブランドが実はフォルクスワーゲンと同じ会社なのです。さらに、超高級車として有名なベントレーやブガッティやランボルギーニもフォルクスワーゲングループなのです。

フォルクスワーゲングループは超グローバル企業

ベントレーはイギリス企業です。ブガッティやランボルギーニはイタリア企業です。つまりフォルクスワーゲングループはイギリス企業とイタリア企業と合併したということになります。したがって、それらと合併をしたフォルクスワーゲングループは今や超グローバル企業であるといえます。

自動車業界に限らず経済活動の世界においてグローバル化と共に強く言われて久しい言葉として二極化という言葉があります。適切に言い換えるならばグローバル化は二極化を生むのです。その理由については下記の<さらなる統合>において詳しく解説しておりますので参考にしてください。

実際、フォーブス・グローバル2000を参考に見てもフォルクスワーゲングループは世界ランキング第16位となっています通り、あきらかに二極の上側です。一見グローバル企業と言えばグーグルやアマゾンやフェイスブックのような企業を思い浮かべるのですが、こと自動車業界においてはフォルクスワーゲングループのように合併や統合を繰り返し拡大していっているグローバル企業があります。

今後の自動車業界の動向

今後時代の流れを見ていると、このようなグローバル化や二極化はさらに加速していくことが予想されます。
現状で自動車業界の中でも大きく合併や統合を繰り広げている企業はフォルクスワーゲングループのみなのですが、今後フォルクスワーゲングループに習い合併や統合が増えることが予想されます。

なぜならばグローバル化は二極化を促し、二極化は中間的な位置づけを無くすため、大企業は二極化を生き抜く為にさらに拡大する以外に道は無いからです。したがって、未来の自動車業界はさらなる合併と統合が予想されます。

現状においては、自動車メーカーの売上高ランキングは下記サイトを参考にしていただければ分かります。

(出典: https://automotive.ten-navi.com/article/29752/

上記に記載されている自動車ブランドの中で10社以上のグループ化に成功しているのはフォルクスワーゲングループのみです。ご覧になっていただければご理解頂けると思うのですが、現状では大多数が単一のブランドです。フィアット社はクライスラー社と統合しましたし、国内の企業でいえば日産自動車はルノー社と統合しました。ですが、それ以外の企業は現状では単一の企業です。したがいまして今後再編が進むことが予想されます。

さらなる統合

今日のグローバル化はグローバル企業のような超巨大資本を持つ企業とそうでない企業といったような二極化をもたらします。そしてその超巨大資本を持つグローバル企業は、言い換えればインフラ企業とも言えます。インフラと言えば一般には水やガスや電気や水道のように生きていく上で必要となるものです。例えばアマゾンやグーグルやフェイスブックのような多くの人々にとって生きていく上で非常に需要なサービスを提供している企業を指します。

そのようなインフラ企業とそうでない企業といったような二極化の構造が明確となる時代となっています。したがって、それらの中間に位置する企業が存在しないのです。今後生き残ることのできるグローバル企業は、必ずインフラ企業になる必要があるということなのです。つまりそれらに相当する企業体となるまで合併や統合が繰り返されると考えられます。

未来の自動車業界はどうなるのでしょうか?限りなく合併や統合が行われる可能性だけでなく、セグメント上の二極化も考えられます。つまり、高級車と量産車の二極化も広がる可能性があります。一世代前の時代においてはカローラが爆発的なヒットを記録しました。二極化が伴う現代は中間の価格帯が存在しない時代です。したがって、量産車はさらに低価格化し高級車はさらに高価格化する時代が来ると言えます。

スケールメリットで結果を出していく

具体的にどのようなプロセスを採用しそれらを達成するかと言いますと、それはスケールメリットです。例を挙げますと世界共通の複数車種共通のプラットフォームの導入です。それによって圧倒的なコストダウンに繋がることは論を持ちません。したがってグローバルなスケールで行われるコストダウンによって車一台当たりのコストは今後さらに下がっていくことが予想されます。

コストが下がるということは言い換えれば、高い品質の車を低価格で供給できるようになるとも言えます。したがって、このスケールメリットを有効活用することのできるグローバル企業のみが大多数の人々から支持される車を作る企業となります。一方、高級車はさらに高級化していきます。高級車の品質が高いことは言うまでもありません。

では一体どこで差別化を図るのか?それは圧倒的なブランド力と細部まで徹底して演出されるラグジュアリー感が大きな要素と言えます。エンジンが大排気量であることや車体が大きくゆとりがあることは言うまでもありません。もはやそういった部分で差別化を図ることはできません。デザインやインテリアにおいて圧倒的にラグジュアリー感やブランドコンセプトを打ち出すことができるブランドのみが生き残ることができる時代となるでしょう。

フォルクスワーゲングループはこの点非常に先進的であると言えます。なぜなら量産車のビートルから超高級車のベントレーまでをグループに収めているからです。こういった傾向というのは今後グローバル企業に広く見られるでしょう。したがって未来の自動車業界の構造を表す写し鏡としてフォルクスワーゲングループが挙げられるでしょう。

最後に

本ブログの最後に、抽象度を上げて今の世界を考察してみたいと思います。結論と致しましては、グローバル化は二極化を生むという点です。良くも悪くも数十年前の世界と言うのはローカリゼーションが存在しました。それぞれの国にそれぞれの車がありました。高い車から安い車まで存在していました。もちろんそれらは別々のプラットフォームを持っていました。そこに時代の変化が加わりグローバル化の圧がかかるようになりました。そのグローバル化の圧によって二極化が進展しました。

そのような時代の中生き残るためにはどうしたらいいのでしょうか?方法は2つあります。

  • グローバル化の二極の上側のインフラ企業になる。
  • グローバル化の二極の下側のパーソナルな企業になる。

インフラ企業になるのは細く長く険しい道です。パーソナルな企業になるのはユニークでさえあれば難しいものではありません。ですが、パーソナルな企業の収益モデルの限界は数百億円と言われています。

先程の「2017年世界自動車メーカー売上高ランキング」を見て頂くと1位から順に20位まで記載されています。自動車市場の規模を考えれば、上位20社は全て広い意味でのインフラ企業と言えます。

それに対して代表的なパーソナル企業を上げるとすればアストンマーチンです。ですが、アストンマーチンには二つの道があります。それは、このままパーソナルな企業を継続する道と、ダイムラー等とさらに提携を進めてインフラ企業と統合するという道です。

どちらに舵をとっているかと言いますと、近年では後者となります。それによって売り上げが対前年比94%増加するといった驚異的な伸びを見せています。したがって、どちらの道を目指すかはそれぞれの自動車メーカーの判断となるでしょう。

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